エージェントの掌の上で踊らされて楽しいですか?
IT業界の不可解な構造
「IT業界全体の人件費のうちどれだけがエンジニアに渡っているのか」と私はたまに考えることがあります。この業界では多重派遣が当たり前で、なんら生産活動にかかわっていないエージェントが二桁パーセントという大きなマージンを取っています。
これはもはや当然のようになってしまっていますが、考えてみると異常です。エンジニアが長時間労働で苦しんで、時間精算が発生した際にもエージェントの取り分が増えるのです。やはりこの仕組みはどう考えてもおかしいと思います。
主役はフリーランスエンジニア
私はやはり、IT業界の主役はエンジニアでなくてはならないと思います。
エージェントはあくまでも「従」であり、「主」であってはならないのです。
しかし、現在のIT業界は、エージェントが主導権を握ってしまっています。
エンジニアがお人好しすぎるため、エージェントのいいなりになってしまっているのです。
この現状を打開するにはどうすればよいのでしょうか。
エンジニアが自立するしかないと思います。エンジニア同士でコミュニティーをつくり、エンジニアが他のエンジニアを顧客に提案する。これが本来自然な形ではないでしょうか。
コードを見たこともない手配師が、客にエンジニアを提案するなど、ちゃんちゃらおかしいと思います。
だから、エンジニアは営業や交渉ごとから逃げてはいけないと思います。また、自営業として仕事をやっていく上で一番重要な「コネ」について完全に他者に握らせてはならないです。自分でコネを切り開き仕事を探すこと。それができなければいつまでたっても「鵜飼」の「鵜」です。
エンジニアを飼い殺しにしようとするエージェント
ただ、なぜなのかはよくわからないのですが、最近のフリーランスを推奨する書籍や、ブログなどのインターネットメディアでは、「コネを構築するのはコストがかかるからエージェントに仕事探しを委譲するがオススメ」やら、「交渉も難しいからエージェントにお願いすれば安心」という論調を良くみかけます。
正気で行っているのでしょうか? それとも「レバレ⚪︎ーズ」のステマなのでしょうか?
ITに限らず、自営業者にとって、「営業」、「交渉」は仕事をしていく上で、もっとも肝となる部分だと思います。そこを取り上げてしまって、「現場での作業」のみに専念させるというのは、エンジニアを飼い殺しにしてしまおうとしているのでしょう。
「営業力」、「交渉力」が身につかなければいつまでたってもエージェントから離れることができません。この方が都合が良いのだと思います。
去勢されたフリーランスはいつまで生き続けることができるのできるでしょうか。