フリーランスITエンジニアのすすめ

フリーランスITエンジニアの働き方についてのブログです

フリーランスの交渉の仕方

フリーランスエンジニアの方は、交渉に弱いというか、お人好しタイプが多く、顧客の要望をそのまま受け入れてしまって、したたかに交渉できる人は少ないです。また、そもそもそも交渉の仕方もわからないため、「単価を上げてください」など、ただのお願いになってしまっているケースも多いです。

交渉というものは、 自分の手持ちのカードは何か、相手にどんなカードを切らせるかを意識しながら、お互いの着地点を探すことです。ただ、一方的にお願いすることは交渉ではありません。 

 

フリーランスエンジニアの交渉の主なカードは、一番重要な「単価」、あとは「契約期間」、「仕事内容」、「ポジション」などです。

この中から、自分が相手に要求したいことと、相手が自分に要求したいであろうことを考えながら交渉することが大事です。 

交渉に臨む態度

柔らかくかつしたたかにがポイントです。相手に不要な嫌悪感を持たせても特になることはありません。一方で安易に妥協してしまってもしょうがありません。粘り強く交渉するしたたかさも必要です。

 

事前に落としどころを決めておく

自分の譲れるところ、譲れないところを予め決めておきましょう。ここを決めておかないと、結果として交渉時の気分で必要以上に譲歩してしまい、後で後悔ですることになります。

たとえば、「時間精算なしはやらない」、「単価は80万円以上」など明確な基準を決めておきましょう。

 

ただでは譲歩しない

顧客から譲歩を要求されることもあるでしょう。

しかし、交渉の場では、絶対にただで譲歩してはいけません

  

たとえば、来月末で抜けさせてくれと申し入れをした際に、「いや、来月末で抜けられては困るから、あと半年はいてくれ」と要求されるというのはよくあるケースです。

このお互いの利害が衝突した時こそ交渉のチャンスです。ただ単純に、「はいOKです。」と相手の要望を受け入れてしまうのではなく、交換条件として単価の値上げや仕事内容の変更をセットに交渉しましょう。顧客側がどうしても契約期間を延長したい場合、こちら側の要望が受け入れられる確率が高いです。

(まぁ、そもそもこういう場合は、顧客側から単価の値上げとセットで交渉されることも多いですが・・・。)

ただし、言い方次第では相手の足元を見て交渉しているように取られ心象を悪くすることもあるので、気をつけたほうが良いです。交渉は腰を低く粘り強くやるのが重要です。

 

逆にこの様なケースにおいて、何か都合があってどうしても抜けたい場合もあるでしょう。その際に顧客から、「単価を上げるから辞めないでくれ」と言われることもよくある話です。 

こういう場合、安易に交渉のテーブルに着かないことです。交渉のテーブルについてしまうと、相手に「条件次第では契約延長してくれるのか」と思わせてしまい、面倒なことになります。

 

話は変わりますが、案件参画時に単価交渉する際にも、希望単価は高めに言っておいたほうがよいです。要望がそのまま通れば儲け物ですし、仮に単価が折り合わず、負けなければいけなくなった場合でも、「単価を値切って案件に参画した」という貸しを作ることができます。このように、手持ちのカードを意識した交渉をすることが大切です。

 

 

 

ブラック案件を避ける3つの判断基準

この業界にはたくさんの案件があります。金額の高い低い、稼働が高い低いなど、様々な案件がありますが、今回は私がオススメしない案件について書いていきます。

フリーランスは体が資本ですので、心身を壊すようなかことがあってはいけません。今回のエントリで書くオススメしない案件というのは、この心身を壊す可能性が著しく高くなるであろう案件です。

といっても、案件の概要だけでは案件のブラックさを判断することは難しいでしょう。たしかに、実際に現場に参画してみないとわからないことも多いとは思います。

それはそのとおりですが、案件の概要からでもある程度ブラック度の高い低いを見分けることはできると思います。

私が以下の観点で、案件の高ブラック率案件を判定しています。

時間精算なし

ほとんどの常駐案件は精算幅を設けていますが、たまに時間精算なしという案件もあります。これはそもそも企業側が長時間労働を前提としていることであり、案件参画後、かなり稼働が高くなることを想定しておかなければなりません。

 

金融系

金融系、特に、銀行、証券では危ない噂をよく聞きます。実際に私も証券系の案件に参画したことがありますが、やはりブラックでした。エンドユーザー自体が体育会系ですので、それに引きづられる形で開発現場もストレスフルでした。

基本的にお客様が神様であり、無理な要求には徹夜してでも答えるという雰囲気があり、とても辛かったです。

 

有名ブラック企業の案件

ご存知の通り、この業界には無茶な開発を行っている企業がいくつもあります。大概、そのような情報は営業やフリーランスの間で共有されています。コネを作っておくとブラックな情報を入手する際にも役に立ちます。

私の知っている限りだと、日本橋の交差点にある会社や、センター南(北?)にある会社は色々とヤバイということを聞いたことがあります。

 普段からコネを作り情報共有しておきたいところです。

 

繰り返しますが、フリーランスは体が資本です。ボロ雑巾のように使い潰され、心身を壊すようなことがあってはいけません。会社員ならば休職中も給料が入りますが、フリーランスでは休んでいる間は無収入です。ですので、フリーランスこそできるだけブラック案件は避けるべきです。

 

しかし、実際、案件の選択に失敗することもあると思います。ブラックな案件に参画してしまった場合、どうすればよいのか。それについてはいつか書きたいと思います。

 

 

フリーランスがエージェントを利用するメリット

忘年会ラッシュのため、更新が滞っておりました。

久しぶりのエントリとなりますが、今回はフリーランスがエージェントを利用することのメリットについて書きたいと思います。

これまで散々、エージェントを利用しているようではダメだと書いてきましたが、やはりそれでもエージェントを利用するメリットはあります。

私が考えるエージェントを利用するメリットは以下です。

  • コネがなくても仕事が取れる
  • 幅広く仕事が選べる

これらについて、以下で詳しく書いていきます。

コネがなくても仕事が取れる

当たり前ですが、フリーランスだからといって、だれでも顧客とコネを持っているわけではないです。コネもなく自分で営業もできないエンジニアは、そのままでは仕事がなく干上がってしまいます。

エージェントはこのような自分で仕事が取れないエンジニアに対しても営業を代行してくれて仕事を探してきてくれます。スキルさえあれば現場に突っ込んでくれますので、これはコネなしエンジニアにとっては大きいです。

幅広く仕事が選べる

また、コネがあったとしてもエンジニア個人が入手できる案件情報は限られています。所詮、エンジニア個人の情報網などたかが知れているので、案件数も限られてきますし、また、コネ依存のデメリットして、案件情報が偏りやすいというのもあります。

たとえば、SI系に偏り過ぎてしまい、ネット系の案件情報が入ってこないという状況もあります。

エージェント自体も業種の得意不得意はありますが、個人よりは幅広く仕事を持ってくることができます。

 

なお、他のサイトではキャリアサポートが受けられるのなんなのとか言っていますが、このあたりについては私もそもそもどんなものかもわかりませんので、コメントできません。

また、エンド直請けだから良いとか、仕事が途切れなくて良いとかいうメリットも挙げられたりしますが、エンド直請けでも結局マージン率が高ければ実際のエンジニアの収入は増えませんし、エージェントを使っていようが使っていなかろうが、今のこの好景気に仕事が途切れるエンジニアなんていないのではないでしょうか。

 

どんな人がエージェントを利用すべきか

結局のところ、エージェントを利用すべきなのは以下に当てはまる人かと思います。

  • お金に興味がなく、幅広く案件を選びたい人
  • 契約上の面倒くささを避けたい人
  • コネがなく、自分で仕事を持ってこれない人

ですので、逆に言えば、お金を一定以上稼ぎたい方や、自分で仕事を取れるコネを持っている方にとっては、エージェントを利用するメリットはあまりないと思います。

また、仮にコネがなく、エージェントを利用せざるを得なく状態ならば、早くその状態を脱出できるように準備をする必要がありますね。

 

 

 

 

 

 

いい仕事も人が持ってきます

 大事な情報は人が持ってきます。

 

p-shirokuma.hatenadiary.com

 

 本当にいい情報は、ネットじゃなくて、人が持ってくるもんだよね(意訳)というエントリです。

ここでいう「大事な情報」には、仕事の情報を含まれると思います。フリーランスで仕事をしていくうえで仕事の情報をどう入手するかは、一番重要な問題ですが、本ブログで前からコネが重要であると書いているように、結局、いい仕事も人が持ってきます。

 

あなたのコードを見たことがある人が、いい仕事を持ってきます。コードはシステムの動かすためのものですが、私は仲間と信頼を作るためのコミュニケーションツールであるとも思っています。コードを通して自分が信頼に取る人間かどうかを示すことができます。だから、いいコードを書くように気を付けています。

 

また、同じプロジェクトで仕事をしたメンバーとは、関係を絶やさないようにしましょう。せっかく信頼関係を作っても、関係が途切れてしまっては意味がありません。

エンジニアはこのあたりが弱いと思いますが、人との出会いとこそプロジェクトで仕事をするうえで一番の宝だと思います。人とのつながりを大切にしましょう。

(私は以前プロジェクトで仲良くなったメンバーとは少なくとも年に一回は飲みに行くようにしています。)

 

一方、ネットでは、エージェントのステマばかりです。フリーランスエンジニアのブログなんかは特にそうです。ネットの表面的な情報に騙されてはいけません。あっという間に手配師のカモになってしまいます。簡単に入手できる情報は大した情報ではありません。

ネットの情報ばかりに頼らずに、仲間に頼りましょう。 

 

「人」を大切に。結局のところ、これがすべての基本ですね。

 

 

エージェントの掌の上で踊らされて楽しいですか?

IT業界の不可解な構造

「IT業界全体の人件費のうちどれだけがエンジニアに渡っているのか」と私はたまに考えることがあります。この業界では多重派遣が当たり前で、なんら生産活動にかかわっていないエージェントが二桁パーセントという大きなマージンを取っています。

これはもはや当然のようになってしまっていますが、考えてみると異常です。エンジニアが長時間労働で苦しんで、時間精算が発生した際にもエージェントの取り分が増えるのです。やはりこの仕組みはどう考えてもおかしいと思います。

 

主役はフリーランスエンジニア

私はやはり、IT業界の主役はエンジニアでなくてはならないと思います。

エージェントはあくまでも「従」であり、「主」であってはならないのです。

しかし、現在のIT業界は、エージェントが主導権を握ってしまっています。

エンジニアがお人好しすぎるため、エージェントのいいなりになってしまっているのです。

 

この現状を打開するにはどうすればよいのでしょうか。

エンジニアが自立するしかないと思います。エンジニア同士でコミュニティーをつくり、エンジニアが他のエンジニアを顧客に提案する。これが本来自然な形ではないでしょうか。

コードを見たこともない手配師が、客にエンジニアを提案するなど、ちゃんちゃらおかしいと思います。

だから、エンジニアは営業や交渉ごとから逃げてはいけないと思います。また、自営業として仕事をやっていく上で一番重要な「コネ」について完全に他者に握らせてはならないです。自分でコネを切り開き仕事を探すこと。それができなければいつまでたっても「鵜飼」の「鵜」です。

 

エンジニアを飼い殺しにしようとするエージェント

ただ、なぜなのかはよくわからないのですが、最近のフリーランスを推奨する書籍や、ブログなどのインターネットメディアでは、「コネを構築するのはコストがかかるからエージェントに仕事探しを委譲するがオススメ」やら、「交渉も難しいからエージェントにお願いすれば安心」という論調を良くみかけます。

正気で行っているのでしょうか? それとも「レバレ⚪︎ーズ」のステマなのでしょうか?

 

ITに限らず、自営業者にとって、「営業」、「交渉」は仕事をしていく上で、もっとも肝となる部分だと思います。そこを取り上げてしまって、「現場での作業」のみに専念させるというのは、エンジニアを飼い殺しにしてしまおうとしているのでしょう。

「営業力」、「交渉力」が身につかなければいつまでたってもエージェントから離れることができません。この方が都合が良いのだと思います。

去勢されたフリーランスはいつまで生き続けることができるのできるでしょうか。

 

 

フリーランスの向き不向き

やはりフリーランスに向いているエンジニアと、逆に向いていないエンジニアがいます。自分の周りのエンジニアを見て、フリーランスに向いてない(もしくはなるべきでない)エンジニアについて色々と思うことがあり、今回はこのテーマについて書きたいと思います。

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フリーランスについての向き不向きを語るうえで、切り口は色々とありますが、仕事をする上で「お金」、「人付き合い」の二つがの重要な要素になるかと思います。

それを踏まえて、以下の観点で向き不向きについて考えていきます。

  • 収入の観点
  • 組織との付き合い方の観点

 

収入の観点

これまでこのブログで述べてきたように、フリーランスの収入はスキル以外の様々な要素が影響します。すなわたい、フリーランスの収入はイコールスキルではありません。(相関関係はあるでしょうが)

営業力や交渉力もスキルと同じように収入に与える影響が大きいです。

 

つまり、

  • コネがない、コネを作るのが下手
  • 交渉力が低い
  • 上記のスキルと比較して相対的に技術力が高い

というエンジニアは、フリーランスとやっていくには損かなと思います。いくらスキルが高くても、結局スキルの安売りになってしまう可能性が高いです。

それより、特定の分野での高いスキルを持っているならば、どこかスキルが活かせる会社に雇用してもらい自分の長所を役立てたほうがいいかもしれません。自社サービスを持っている会社ならば、高いスキルを有効活用できます。

 

逆に、スキルが低くてもとりあえず現場に入れてもらえるエンジニアや、人付き合いが得意で広く自分に合った仕事を持ってこれるエンジニアはフリーランスに向いていると思います。

自分の周りでもいろいろなタイプがいますが、フリーランスで長くやっているタイプは、はったりをかますのがうまかったり、交渉が上手だったり、どちらかというとスキル以上に収入を得ているタイプが多いですね。

 

組織との付き合い方の観点

フリーランスは会社員とはことなり特定の企業に所属していません。その分自由が利くというメリットもありますが、もちろんデメリットもあります。

たとえば、出世することもできないですし、面倒を見てくれる上司もいません。同期もいませんし、新人の面倒をみるということもありません。

これは、捉え方によってはメリットでもデメリットでもあると思います。

このようなことを無駄だと考えず、楽しくやっていける方はサラリーマンエンジニアの方がいいのかなと思いますが、逆にこのようなことを無駄と思う方や、苦手な方はフリーランスのほうが向いているでしょう。

 

 

レバレジーズのエンジニアの平均年収は748万とかなり微妙な数字

ソースは以下の記事です。 公式ホームページだと平均は800超えと書いてありますが、どっちな本当なんでしょう??

www.nikkei.com

この金額はかなり微妙な線なのではないでしょうか。会社員の給与相当に換算すると500未満くらいの金額でしょう。 広告では、「最高支払金額1XX円」とか言っておきながら現実はこんなもんかというのは、ちょっと残念な数字です。高収入にあこがれてフリーランスになる方もいらっしゃると思いますが、現実はこんなものということを知らしめたのではないでしょうか。


一人暮らしなら余裕の生活でしょうが、都心で家族を養っていくとなると、結構カツカツです。フリーランス=高収入とのイメージを持っている方も多いでしょうが、エージェント傘下では、現実としてはそう甘くないということですね。 また、この価格も需要過多の状態の現在でこの単価ですので、未来永劫この単価が維持されるとは限りません。 むしろ、エンジニアは今後大型案件が終了していくことによって供給過剰になることが見込まれており、その時に今まで通りのやり方でフリーランスが生活していけるのか、かなり心配です。


フリーランスエンジニアには、誰でもなることができます。よって、フリーランスエンジニアの労働市場は極めて参入障壁が低いです。ですので、この市場をある程度健全な状態に保つためには、フィルタリングするなりなんなりして質と供給量を保つことが必要です。


ですが、エージェントは、現場に導入したエンジニアの数=売上になりますので、参入障壁を上げて、エンジニアの供給量を調整するということに対してインセンティブが働きません。 実際に、使えないエンジニアも無理やり現場に送り込むことが営業の腕の見せ所であるなんて話しを聞きます。


参入障壁を高くするなり、マッチングの確度を上げていくなりしないと、供給過多になった際に、凄まじい勢いで単価が下落していくでしょうね。
エージェント傘下のエンジニアがこの辺りの問題についてどう考えているのかはわかりませんが、私としてはできるだけオープンでない市場で仕事が取れるようにしたいところです。