フリーランスにとって、最もアウトソーシングすべきでないものは「営業」
久しぶりに韓非子を読みました。
本書の特徴は、徹底した現実主義です。冷徹な人間分析です。ある意味、現代の「ウシジマくん」のような本です。
この本の主張で一番頭に残っているのが、「人間は利によって動くので、君主が部下に対する「賞罰」を他の人間にアウトソーシングしてしまうと、他の人間が部下をコントロールしてしまって、自分の立場を危うくしてしまいますよ」という警告です。
さて、我々フリーランスエンジニアはプログラミングやら営業やら事務作業と様々な仕事をこなさないといけません。その際、自分だけの手におえなければ、抱えている仕事の一部をアウトソーシングする必要が出てくると思います。
その時、どこをアウトソーシングし、どこはアウトソーシングしてはいけないのかを見極める必要が有ります。
私は「営業」こそが最も人任せにしてはいけない部分だと思います。
フリーランスエンジニアは結局のところスキルの切り売りです。自分の工数をいくらで売るかということです。
スケールできない分、選択した顧客が与える営業が大きいのです。不動産屋のようなものを売るビジネスとは違います。どれだけ顧客にコンタクトしても実際に取引できる顧客は1社のみです。
一つの顧客が、イコール自分の全てになってしまいます。どう「営業」をするかということが、フリーランスエンジニアとしての仕事のやり方自体を決めてしまいます。
また、IT業界は多重派遣のねずみ講ビジネスです。
多重派遣がまかり通っている以上、単価に対する影響は、スキル以上に「商流」の方が大きいです。
コネがなく仕事を探すことができないため、エージェントを利用せざるを得ない場合もあるでしょう。しかし、それは一時的な手段とすべきだと思います。
エージェント従う以上、エージェントの単価の相場観に付き合っていかなければなりません。エージェントの労働市場は参入障壁が低いです。参入障壁の高い労働市場に移っていかなくてはいけません。そのためには、商流の上流と直接繋がらなければならないのです。それはエージェントにはできません。営業を人任せにしていてはいつまで経っても単価は上がらないのです。