物差しに自分を合わせるのではなく、物差しを選ぶ。これができるのがフリーランスの強み。
このエントリに激しく同意します。特に以下の部分は全くの同感です。
ITエンジニアと職場の相性
ITエンジニアはプロジェクト、ロール、業種ごとに要求されるスキルが全く異なります。
分かりやすいところでいうと、ネット系の開発会社は開発生産性・コード重視で、SI系は品質・ドキュメント重視とかがありますね。
一方、ITエンジニア側でも得意不得意がありますので、ある分野ではかなり優秀なのに、ちょっとポイントがずれたアサインをされてしまうとお客さんからクレームが来てしまうくらい評価が悪くなってしまうこともあります。
さらに、このスキル面の相性より重要なのが、人間関係の相性です。現場の人間と気が合うかどうかです。
スキル的には優秀なのにあまり評価されていない人はどのプロジェクトにも必ずいますが、大概現場のキーバーソント仲良くなれてないのが原因だったりします。
もっと気軽に職場を変えていい
低い評価をされてしまった場合、どうにか頑張って、現在の職場で評価を上げるということも一つの方法ではあります。しかし、我々フリーランスエンジニアは半年や数年で職場を変えるのが普通です。それを踏まえ、費用対効果の観点から考えると、評価されない現場で疲労するより、職場自体を変えてしまう方が効率の良い対応策だと思います。
現場からは顰蹙を買うかもしれません。特に忙しい時期に人が減るのは困るでしょう。しかし、すでに評価が低いならば、何も恐れることはないのです。だって、これ以上失うものはありませんから。
ここが会社員エンジニアとフリーランスエンジニアの大きな違いです。
会社員エンジニアでは、プロジェクトの評価が、プロジェクトを跨いで持ち越されてしまいます。会社というデータベースがありますからね。何か変なことをやらかすと、「◯◯さんって、あの案件でダメダメだったらしいですよ」という評価がずっと付いて回ってしまう。
一方、フリーランスはその心配がありません。なんなら職場でウンコを漏らしたっていいんです。
というのは冗談です。が、頑張っている割に評価されていないと感じたならば、評価されるプロジェクトへ移った方がいいです。その方が、気持ちよく仕事ができます。せっかくの人生ですから、楽しく仕事したいですよね。
まとめ
世間は様々な物差しで我々を測りますが、我々が物差しに合わせる必要はないのです。むしろ、自分が最も評価される物差しを選ぶことこそが重要なのではないでしょうか。
セブンイレブンバイト罰金問題にみる日本人の狂った労働感覚と、その対処法
セブンイレブン加盟店がやらかしてしまいました。
病欠したアルバイトから、ペナルティーとして罰金を取っていたそうです。
これは完全な労働基準法違反です。
人を雇う立場の人間が労働基準法の基本中の基本を理解していないわけはないと思います。つまり、これは分かったうえでやってるわけで、かなり悪質であると思います。ルールを完全に無視しています。
ところで、本件に限らず、一般的にこの労働基準法というものは、かなり軽視されているものです。
残業代不払いなどの問題はどこの会社でもありますし、最近では電通の問題もありました。
このような、「ルールがあるのに徹底されていない」状態というのは、「ルールがない」状態よりも悪いということは、昔からよく言われていることですが、この現状について、労働基準監督署はどうかんがえているんでしょうかね。ルールを破った人間にはペナルティを与えなければ、ルールの意味がなくなると思うのですが。見せしめのために、このコンビニの店長を百叩きにでもした方がいいのではないでしょうか。
ともあれ、やはり職場の空気が法律や契約よりも重視されてしまう日本人の労働感覚というのは異常であると思います。
ルール軽視の日本の労働環境の中でどう生きていけばよいのでしょうか。世直しをするという手もありますが、それはコストがかかりすぎます。エネルギッシュな人は政治家にでもなって、労働基準法違反は打ち首にでもする法律を作ればいいと思いますが、普通の人にはなかなか難しいです。しかも、何年かかるかわかりませんし。
我々のような一般市民が、このような狂った労働環境の中で、被害を最小限に食い止めるにはどうしたらよいか。それはずばり、組織から適度に距離をとることだと思います。
そして、何らかの間違いでブラックな組織に所属してしまった場合や、所属組織がブラック化した場合、全力で組織から逃げる、これしかないと思います。
私がフリーランスになったのも、「フリーランスは組織から逃げやすい」というメリットがあったからです。よく言われていますが、IT業界はブラックです。このような環境で生き延びるのにはどうしたらよいかを考えた結果、組織との関係が疎結合であるフリーランスこそが最適の働き方であると思いました。
ITエンジニアのスキルはポータビリティが高いです。特にプログラミングスキルは、一度覚えてしまえばどこの現場でも使えます。
つまり、ITエンジニアは、いつ組織と縁を切っても、新たに別な組織とつながりを作るコストが低く、どうにか食いつないでいける可能性が高いのです。
というわけで、日本の狂った労働環境に疑問を抱いている方は、フリーランスエンジニアになったらいいのではないでしょうかね。
商流を制する者はIT業界を制す
労働者の「給与」がどのようなメカニズムで決まるのか、経済学者でない私に迂闊なことは言えないが、少なくとも、プログラマーが作り出す「付加価値」が関係していることは確かだろう。 会社が稼ぎだす全体の付加価値はビジネスモデルであったり、営業力であったり、組織力によって作られる。 プログラミングによって構築されるITシステムがその会社の付加価値にどれほどの影響を与えるのか、というのは、ほとんどの場合、プログラマが決めることはできないし、ましてや最新のフレームワークや保守性の高いシステムを構築したところでそれほど付加価値が増大するわけではない。 プログラマには最低限、現状の組織に合致したITシステムを構築して多少の「効率化」ができればいいとされていて、その「効率化」した分と、労働市場の動向がプログラマの給与を決定していると言える。 そしてそれは、シリコンバレーと比較して惨めになるほど低い。 言い換えれば、日本の企業がシリコンバレーのそれと比較して低い付加価値しか生み出していないということでもある。
プログラマの奇妙な待遇 - megamouthの葬列
ここは完全に同意します。日本のIT業界は工数ビジネスですからね。そもそも、エンジニアの付加価値というものを測る仕組みがありません。
また、以下のエントリでも書きましたが、日本のエンジニアのおおくは量産型ですし、量産型であることを期待されています。
量産型では付加価値を生み出すことができません。また、エンジニアを使う側もエンジニアに量産型であることを期待しているため、付加価値を測定しようなどということを考えません。
これは、IT業界に入ったエンジニアが一番最初に気づくべきところなのではないかと思います。
スキルが上がれば給料が上がるなどという甘い考えは早く捨てなければなりません。現場の同僚エンジニアは貴方がいいコードを書いてくれることを期待しているかもしれませんが、それ以外のステークホルダーは、そんなことはあまり期待していません。客先のデスクに座っておとなしくしていてくれればよいのです。勤怠がよく、問題を起こさなければ十分なのです。
日本のIT業界において、エンジニアが付加価値を産み出すことができない(測定する気がない)以上、分け前も多くもらうには、商流をどうにかするしかないということです。
そうすると結局は、「商流を制する者はIT業界を制す」のです。
中小企業の経営者は自信過剰orサイコパスばかり
自分も同じような経験がありました。一方的に自分の価値観を押し付けてきて、相手がいうことを聞かないと不機嫌になっちゃう人に言い寄られること。
中小企業の経営者ってこういうタイプ多いんですよねー。サイコパシーというかなんというか。
私の場合は、以下のような感じでした。
相手「俺が考えた素晴らしい事業に参画させてやる。フリーの身分で事業に工数をかけてたら飯が食えないだろうから、うちの会社に所属させてやる」
私「いや、会社に入るの嫌なので、フリーのままでいいです。ってか、本業の片手間にやるという約束でしたよね?」
(ってか、会社に所属させてやるって、ずいぶん上からだなw)
相手「100%の工数フルコミットしろや。それができないなら、お前が金出して人を雇って工数出せ。それじゃ可哀想だから、譲歩として会社に入れてやるっていってるんじゃねーか!」
私「」
というようなやり取りをして、げんなりしたのを覚えています。
フリーランスになってから、上の例以外でも、色々と無理なこと言われて嫌な気持ちになったことはありますね。
まぁ、彼らも必死なんでしょう。必死でやらないとお金稼げませんからね。なりふり構っていられない。
そうすると、結果として、パワーワード生成器になってしまうのでしょうね。周りから見たら完全に自信過剰かサイコパスなんですけどね。
自分はそういう人間にはなりたくないですね。
量産型プログラマの何がいけないのか分からない
完全に乗り遅れましたが、ソニックガーデンの倉貫さんが書いた以下のエントリが話題になっています。
よく聞く主張です。いろんな人から、多分100回以上聞いてます(だから、今更わざわざ倉貫さんが言わなくてもいいんじゃないかとも思いますが)。
で、私の主張ですが、私はSIという文脈において、アプリプログラマは量産型でいいと思っていますし、量産型プログラマの存在の何がいけないのかよく分かりません。というか、むしろ量産型の皆さんには感謝してるくらいです。
私のお客さんは量産型プログラマ
私は主に大規模SI案件に参画して、「フレームワークチーム」や「アプリ基盤チーム」などと言われるプロジェクト全体の技術支援を行う部署に参画することが多いです。
大規模案件のアプリプログラマは、頭数でそろえられている人たちですので、基本的に技術的にそれほど優秀ではありません。要は量産型プログラマです。
彼らがどうすれば滞りなく実装作業を進めることができるのか、ということを考えるのが私の仕事です。アプリの負担を出来るだけ軽くするアーキテクチャを構築したり、分かりやすーいドキュメントを作ってアーキテクチャを説明したり、初歩的な技術の質問に優しく応えてあげたり、時にはメモリリークを解決してあげたり。
つまり、私は量産型プログラマをおもてなしすることによって、お金をもらっているのです。
ですので、量産型プログラマのみなさんがいなくなってしまうと、私はご飯が食べれなくなってしまうのです。撲滅するなんてとんでもないです。
そもそもSIは量産型プログラマを前提としている
いいんですよ。皆が優秀なプログラマだったら。フレームワークを作る必要もないですし、分かりやすーいガイドラインを書く必要もありません。
個々のプログラマが勝手にやって、ちゃんと動いて、セキュリティ的にも問題なくて、性能要件を満たすシステムを作ってくれるんだったら、それでいいんです。
でも、現実はそうじゃないんです。
馬鹿でかいシステムを数百人、数千人という人員を集めて作っていかなくてはいけない。優秀なプログラマなんてそうそういないですから、量産型を大量に投入するしかない。
そうなると、アーキテクチャやプロセスをきっちりと作って、品質にムラができないようにしなければならないのです。
逆に言えば、優れたアーキテクチャやプロセスで、誰でもある程度のものが作れるようになれば、わざわざ高い単価で優秀な人を入れる必要もないんです。
今のSIはこういうビジネスモデルを目指しているんじゃないですかね。だとすると、量産型を撲滅ってのは、ちょっとピントがずれているような気がします。
まぁ、そのビジネスモデル自体が気に食わないというならば、どうしようもないですがw
まとめ
量産型プログラマがプログラムを量産できるようにするのが、ソフトウェアエンジニアリングです。量産型プログラマが活躍しやすいプロセスとアーキテクチャを構築しよう、という方向で進んだ方が建設的じゃないかと思いますね。
あと、別にSI業界は、プログラミングを舐めてはいないと思いますよ。ただし、アプリプログラマは量産型であると認識されていますし、技術力は期待されていないと思いますけど。
ちなみに、プログラマをちゃんと教育したほうがいいという主張には賛成です。
フリーランスにとって、最もアウトソーシングすべきでないものは「営業」
久しぶりに韓非子を読みました。
本書の特徴は、徹底した現実主義です。冷徹な人間分析です。ある意味、現代の「ウシジマくん」のような本です。
この本の主張で一番頭に残っているのが、「人間は利によって動くので、君主が部下に対する「賞罰」を他の人間にアウトソーシングしてしまうと、他の人間が部下をコントロールしてしまって、自分の立場を危うくしてしまいますよ」という警告です。
さて、我々フリーランスエンジニアはプログラミングやら営業やら事務作業と様々な仕事をこなさないといけません。その際、自分だけの手におえなければ、抱えている仕事の一部をアウトソーシングする必要が出てくると思います。
その時、どこをアウトソーシングし、どこはアウトソーシングしてはいけないのかを見極める必要が有ります。
私は「営業」こそが最も人任せにしてはいけない部分だと思います。
フリーランスエンジニアは結局のところスキルの切り売りです。自分の工数をいくらで売るかということです。
スケールできない分、選択した顧客が与える営業が大きいのです。不動産屋のようなものを売るビジネスとは違います。どれだけ顧客にコンタクトしても実際に取引できる顧客は1社のみです。
一つの顧客が、イコール自分の全てになってしまいます。どう「営業」をするかということが、フリーランスエンジニアとしての仕事のやり方自体を決めてしまいます。
また、IT業界は多重派遣のねずみ講ビジネスです。
多重派遣がまかり通っている以上、単価に対する影響は、スキル以上に「商流」の方が大きいです。
コネがなく仕事を探すことができないため、エージェントを利用せざるを得ない場合もあるでしょう。しかし、それは一時的な手段とすべきだと思います。
エージェント従う以上、エージェントの単価の相場観に付き合っていかなければなりません。エージェントの労働市場は参入障壁が低いです。参入障壁の高い労働市場に移っていかなくてはいけません。そのためには、商流の上流と直接繋がらなければならないのです。それはエージェントにはできません。営業を人任せにしていてはいつまで経っても単価は上がらないのです。
2016年の私の収支と、稼いでるようでそんなに貯蓄できないフリーランスの実態
とうとう今年も青色申告の時期がやってきてしまいました。とても憂鬱ですが、やらなくてはいけないものですので、仕方ありません。面倒臭いですが。
ただ、これを行うことによって自分自身の生活の実態というものが見えてくるということもあります。そう考えると、自分自身のためにもなっているのかもしれないですから、前向きに取り組んだほうがいいですね。
さて、今回はせっかくの機会ですので、フリーランスとして、だいたいこれくらい稼げばこれくらいの貯蓄ができますという収支を公開したいと思います。
これからフリーランスでやってみようと考えている方の目安にでもなれば幸いです。
前提条件
34歳フリーランスエンジニア
家族構成:妻(青色専従)、娘3歳
仕事:客先常駐&Javaの業務アプリケーションの開発が中心
住居:持ち家(住宅ローン+管理費もろもろで月7万)
保険とか:確定拠出年金(月5万円) 、生命保険(月1万円)
車なし
売上は約1060万円
今年の稼働率はめでたく100%でした。1月から12月まで、ずっと客先常駐していました。単価は、80万円台後半から90万円台前半でした。フリーランスエンジニアとしてはそこそこ恵まれている方でしょう。
レバレジーズのフリーランスエンジニアの平均年収が700万円台ですので、それと比較しても高い方ですね。お客様に感謝です!
貯蓄額はプラス約300万円
貯金額はプラス300万円でした。源泉徴収が10%されていることを踏まえると、還付があるので、実際にはもうちょっとプラスになります。
ですが、思ったより貯蓄が増えていないなというのが正直な感想です。同世代の一般的なサラリーマンと比較すると貯蓄できているのかもしれないですが、将来が保証されていないフリーランスであるということを踏まえると、もう少し貯蓄しないといけないかなと思います。
FPさんにも30台が貯金のしどきであり、貯金しておかなかった場合、50台で貯金が底をつくかもと言われましたかね・・・。(子供の大学の授業料とか怖い・・・)
考察
妻子持ちだと単価60万円くらいでトントンか
売上額から貯金できた額を引くと大体700万円くらいです。700万円といえば、単価60万円で稼働率100%の場合の売上です。エージェント経由の案件の単価のボリュームゾーンが60万円ですが、そのくらいの単価では家計はトントンくらいになってしまいそうですね。
フリーランスは将来の収入の保証がありません。それを踏まえると、結構不安じゃないですかね。
フリーランス45歳定年説もありますし、エージェント任せ&その他の収入源を確保されていない方は、将来のことを考えておかないと50代前半くらいで生活が困窮してしまうかもしれません。
客先常駐スタイルでは売り上げは頭打ち
客先常駐スタイルではこのくらいの売り上げが限界なのかもしれません。ビジネスがスケールしないので、これ以上稼ぐには単価を上げなくてはいけないのですが、私のロールではこれくらいが上限かなと思います。頑張ればプログラマーでも単価100万円くらいはいけそうかなとは思いますが、法人化が必要になってくるかと思います。
やっぱり甘くないフリーランス
結論としては、生活は苦しくはないが、将来は楽観できない状況かなと思います。いつまで稼げるのかわからない仕事ですので、できるだけ貯蓄は増やしておきたいですが、社会保険料&税金などのマイナス分が大きくて、そこまで貯蓄額は増えません。(特に国民健康保険は60万円以上支払っていますし)
やっぱり、エージェントの広告に騙されてはいけませんね。フリーランスはそんなに甘くないのです。でも結局どれだけ稼いでも安心はできないのですけどね。それがフリーランスですから。それがメリットでもありデメリットでもありますね。
今年の目標
以上を踏まえたうえでの今年の目標です。
一つめは、「収入源の冗長化」です。やっぱり工数を売りさばくスタイルでは、売上の限界があっという間にきてしまいます。他の手法で稼ぐ方法を見つけたいですね。
でも、これって難しいですよね。アフィリエイトとかかなー。でも、今の時代、アフィリエイトとか斜陽ですよね・・・・。
売上が増えないとなると、出て行く分を減らすしかありません。
というわけで、二つめは、「国民健康保険料を安くする」です。税金&社会保険料のうち、一番大きい割合を占めるのが、この国民健康保険保険料です。これについては、健康保険組合に入るとか、色々と保険料を安くする方法があるので、ちょっとくらい面倒くさくても手続きしたいですね。
だって、国民健康保険高すぎなんですもの。